埼玉県所沢市東住吉のマンション敷地内で、男性が血を流して倒れているのが発見された殺人事件で、マンション3階の室内から、男性のものとみられる血痕が見つかったことが28日、所沢署捜査本部への取材で分かった。県警は男性が室内で何らかの事件に巻き込まれた可能性があるとみて、殺害された経緯を調べる。
死亡したのは、茨城県ひたちなか市中根、会社員の男性(25)。下半身に刃物のようなもので傷つけられた外傷があり、死因は出血性ショックだった。
男性は26日午後9時40分ごろ、所沢市東住吉のマンション1階の出入り口にある階段付近で血を流して倒れているのを通行人に発見され、搬送先の病院で死亡が確認された。3階の一室から発見場所にかけて続けて血痕が見つかり、発見場所まで自力で移動したとみられる。室内からは凶器の可能性があるナイフ1本が発見、押収された。
捜査本部によると、家族が事件当日の26日午前6時すぎ、男性の出勤する様子を確認していた。埼玉県外で仕事をした後、車で事件現場へ向かったとみられる。通報の10分前に現場マンションを訪れ、インターホンを押して3階の室内に入ったという。
■知人の男性、困惑「優しくおおらか」
殺害された男性(25)を高校生の頃から知るという知人男性は、男性の祖父から連絡を受けて事件を知ったという。男性は自転車競技に出場して活躍しており、知人男性は自転車の実力を伸ばしていくのを長年見守ってきた。「優しくておおらかな性格。よく食べるので一緒にサイクリングをして、いろいろなご飯屋さんに連れて行った」と語り、かわいがっていたことを明かした。
殺害された男性から「埼玉に行った」と聞いたことはなく、「なぜ所沢で事件に巻き込まれたのか」と困惑をにじませた。「何が起きたのか全く分からない。すぐに解決してほしい」と話していた。